
通信制高校では、どのような勉強をするのでしょうか。また、どのようなスタイルで進めていくのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
通信制高校で学習する内容は、全日制とほぼ同じです。通信制は「自学自習」が基本ですから、学校で授業を受ける代わりに、自宅で学習します。
学習科目等について
学習科目は次のとおりです。
・国語
・数学
・理科
・地理歴史
・体育
・芸術および外国語に属する科目
・家庭および情報に属する科目並びに専門教科・科目
(文部科学省「高等学校学習指導要領解説 総則編」より)
ご覧のとおり、シンプルな構成になっています。
例えば、国語については現代文のみで、古典や漢文まで習わないことが多いです。
また、中学校では「英語」という科目がありましたが、通信制高校では、さわりを学習する程度です。
理科については、科学・生物・物理と特化した科目にまで踏み込むことはなく、概要として学ぶことが多いです。
このように、通信制高校でのカリキュラムは、高校卒業を目標としているため、比較的易しいといえるでしょう。
体育の授業について
「通信制なのに、体育はどうやってするの?」と思われたかもしれません。学校により内容は異なりますが、スクーリング(登校)といって学校へ行く日が設定されています。そのときに「体育」の授業を設定し実施されます。持病がある等、運動できない方については、見学することで単位を取ることができます。その他、事情のある方については、学校と相談することができます。
通信制での学習の進め方
通信制高校の学習は「レポート」、「スクーリング」、「テスト」の、3つの方法で進めていきます。
レポート作成
教科書や学校の教材を自宅で勉強し、学習した内容についてポイントを理解できているか確認するために「レポート」を作成します。レポートを作成したら、郵便やインターネットで学校へ提出します。提出後は、先生から添削指導を受けます。
レポートの形式は学校によって異なりますが、基本的に教科書を見ながら記入することができます。学習する中で分からなかったところ、レポートの作成方法、間違えてしまった部分について、先生とのやりとりの中で教えてもらうことができます。
スクーリング
通信制高校は、基本的には学校に通わなくても大丈夫です。ただし、月に数回、あるいは年に数回といった、定められた日数だけ実際に学校に行くことになっています。先生から直接授業を受けたり、レポートの作成について指導してもらったりします。これを「スクーリング」(面接指導)と呼びます。
スクーリングの日数は学校によって違います。また、本人の希望によって異なります。週に3~5日、ほぼ全日制と同様に通うこともできますし、逆に年に数日でO.K.のところもあります。 生徒の利便性を考えて「年に1回、3泊4日の泊まりがけで」というところもあります。
自分が行きたい通信制高校の場合、どれくらいの頻度でスクーリングに行く必要があるのか、事前によく調べておきましょう。
家で自習するよりも週に何度か登校して、先生に分からないところを聞きたい方は、スクーリングの日数を多くすることができます。
逆に「できるだけ登校したくない」という方は、できるだけ登校しなくてもよい学校やコースを選ぶと良いでしょう。現在はインターネットによる学習が広まっており、それによりスクーリングの日数を軽減こともできます。様々な高校やサポート校を調べてみるとよいでしょう。
単位認定試験(テスト)
レポート、スクーリングと並んで、単位を取得するために必要なのが単位認定試験(テスト)です。
試験を受けるには、まずレポート提出を済ませておく必要があります。
大抵の学校では期末テストのように、年に2~3回に分けて、学期末に試験を実施するところが多いです。
テストで合格したら、その科目の単位を取得したということになります。
勉強を上手に進めるためには
通信制は自分で勉強を進めるため、最初にしっかりと学習計画を立て、進行管理をすることが大切になってきます。
通信制高校を卒業するためには74単位以上の取得が条件です。そのためには、まずレポートを作成・提出し、先生の添削指導を受ける必要があります。それからスクーリングへの参加、単位認定試験を受けることが必要です。
しかし、日々の勉強でレポートを提出できないということが多く見られます。
レポート自体はそれほど難しくなく、大抵の場合は自宅で教科書を見ながら記入していきます。
レポート提出が難しい理由として、通信制高校の基本である「自学自習」が関係しています。全日制のように登校すれば授業が進んでいくのとは対照的に、通信制では自分で時間を組み立てて、自分の意志で勉強を進めていきます。
マイペースで学習できるというメリットと同時もありますが、そばに注意してくれる存在がいないため、しばしばレポート作成を怠ってしまうケースが見られます。
レポートといっても、全ての教科になると結構な量になります。ためてしまうと、よりやる気が無くなってしまいます。
最短3年で卒業するところ、4年、5年とかかってしまいます。留年はありませんが、最悪の場合、学習自体を挫折してしまうこともあります。
最終目標である「高校を卒業する」ことを実現するために、どういった体制で3年間の学生生活を送るのが望ましいか、スクーリングや学習相談などを利用して、あらかじめ計画を立て、それに合った学校を選ぶことが重要になってくるでしょう。
学習サポートセンターのような場所があれば、そこを活用しても良いですし、スクーリングの日数を増やしても良いでしょう。
スクーリングの日数を増やすと、それだけ費用がかかることも事実ですが、自分に合った学習方法と、かけられる学費をよく考えて、学校探しの参考にしてください。