子どもが「学校を休みたい」「学校へ行きたくない」と言い出したらビックリすることでしょう。まして、不登校になってしまったら、多くの親はまず「どうしたらいい?」と戸惑うことと思います。
私自身、ある日子どもが「ねえママ、熱はないけれども学校を休んでもいい?」と言い出したときは動揺してしまいました。まさか「自分の子どもが不登校」になるとは考えてもいなかったからです。様々な葛藤がありました。
様々な方のアドバイスを頂き、いま起きていること、自分がすべきことを整理してようやく、現在の状況を受け入れることができるようになるには時間がかかりました。その経験をお伝えできればと思います。
不登校の原因は、はっきり分からないことが多い
子どもに「学校へ行きたくない理由はなに?」と尋ねても、すぐに答えるのがむずかしいかもしれません。それは、子ども自身にもはっきり分からないからです。おそらく「なんだか分からないけれど、行きたくない」と答えるかもしれません
私の子どもは、不登校になる前はむしろ、学校が好きでした。毎日ランドセルを背負って、「行ってきまーす!」と玄関から飛び出していきました。
しかし、小学校のある学年に厳しい担任から毎日叱責を受け、心のバランスを失ってしまいました。それから登校渋りが始まり、とうとう学校へ行けなくなりました。
学校へ行くのをやめて、しばらく経ったあるとき、子どもが学校について話し始めました。
「学校は宿題ばかり。帰ってきても、夜遅くまで勉強しなければならない」
「もともと、たくさんの人が集まるのが苦手だった」
「どうして、将来役に立たないかもしれない勉強をしなければならないの?」
その他、細かい話を言い出したらきりがありません。友達関係も影響していたのかもしれません。このように、普段は飲み込んで心に貯めていたものが、本人も意識しないうちに大きなストレスになってしまったのかもしれません。
学校とのやりとり
学校では「登校刺激」といって、登校渋りがある子どもに対し、登校を促すことがあります。学校の先生から電話があったり、家庭訪問があったり、あるいは先生が家まで迎えに来て「一緒に学校へ行こう!」と本人に直接うながすかもしれません。
先生の言い分は「学校を休み始めると、完全な不登校になるから」だそうです。また、「自分が合わない環境でもやっていく精神力・努力が必要だ」という考え方もあります。
しかし、子どもが「学校へ行きたくない」と言い出すまでに、かなりの我慢と忍耐を経ていることが多いです。それすらも容量オーバーになり、不登校となってしまうのです。つまり、子どもは疲れ切った状態なのです。マラソンを全力で走り続けて「もう走れないから休ませて」と言っているのに「さあ、もっと走りなさい」と言っているようなものです。
子どもを休ませることにためらわないでください。そして罪悪感を持たないでください。
親は先生になってはいけない
おそらく、多くの親さんは学校から多くのことを言われるでしょう。
「早く子どもを学校へ来させてください」
「学校へ来ないと将来どうなるか分かりませんよ」
「学校に通ってコミュニケーションを学ばないと、社会へ出てから困りますよ」
子どもが休んでいる親さんにとっては、時には脅しのように聞こえるかもしれません。
そして、休んでいる子どもと学校の間で板挟みになり、困り果てることもしばしば。
子どもは、ただ「安心できる場所にいたい」だけなのです。自分の味方になってくれ、守ってくれる人のそばで居場所を見つけて、休息する時間を持ちたいと願っています。
だから、お母さん、お父さんは「先生」になってはいけません。
はじめは、自分の子が不登校であるという事実を受け入れられなかったり、また「いつまで続くのか」と心配になるでしょう。でも、子どもは、自分の親だからこそ「学校へ行きたくない」「安心できる家にいたい」と言うことができるのです。
また、「学校は行くべきだ」ということ、それを周りが求めていることは、子ども自身が一番よく分かっており、常に自責の念を感じています。
子どもの親は、あなたしかいません。
子どもを守ることができるのは、あなただけです。
親が「学校へ行っても、行かなくても、どちらでもいいよ」と受け入れることが、子どもにとっての一番の安心であり、心の回復を早める薬だと思います。
まず、子どもが健康を回復し、元気になること。それが一番大切なことではないでしょうか。