不登校の子どもと親の、状況と悩み

まもなく9月。夏休みも、まもなく終わりですね。

多くの子どもたちは、学校から出された宿題を片付けるのに必死なことでしょう。

一方で、違う気持ちで新学期が来るのを待っている人がいます。

学校へ行っていない子どもたちと、その親です。

不登校の生徒の現状 現在、日本で不登校の子どもは、一体どれくらい存在するのでしょうか。 文部科学省によると、平成28年度における...

不登校の子どもと親の実情

学校へ行っている側からみる「不登校」というと、どんなイメージでしょうか。

「学校へ行かずにサボっている」

「ずるい」

はたまた、

「どんな事情があるんだろう?」

「実態がよく分からない」

「なんだか、事情を聞きづらい」

こんな感じでしょうか。

不登校の子どもの気持ち

たしかに、学校へ行かない場合、宿題も登校もしなくてもいい。

その代償に、子どもたちは毎朝、深い「罪悪感」を抱えています。

それは「学校はいくべきものなのに、学校へ行けない自分は悪い人間だ」というもの。

不登校になる多くの子どもたちは、とても真面目で優しい性格をしています。

昼間に外出すると「今日は学校、休み?」と聞かれる。

なにより、友達はみんな、学校へ行っている・・・。

そのため、子どもたちは学校がある昼間、じっと息をひそめて家にこもります。

多くの子は、その現実に精神的に耐えられないため、寝静まった夜に起きて活動します。

これが、不登校の子どもたちが「昼夜逆転」(昼間寝て、夜起きる)になる大きな原因です。

世間で言うと、不登校は「悪いこと!」。子どもは、そのことを敏感に感じ取っています。

不登校の子どもの、親の気持ち

そして、その苦しんでいる子どもを、365日24時間、見守る人がいます。

子どもたちの、親です。

日本では、「不登校」「学校へ行かない子ども」は、まだまだ「悪いこと」と見なされ、世間体が悪いです。

親は、子どもの苦しみを代わりたくても代わってやれない。

ただ、次に子どもがどうするか、見守ることしか出来ない。

子どもの心は、いまどれくらい快復しているだろうか。

そんな、見守る側の、心の苦しみもあるのです。

なぜ、不登校になるの?学校へ行けないの?

「そんなに罪悪感があるのならば、学校へいけばいいじゃない?」と、不思議に思われるかもしれません。

なぜ、子どもたちは学校へ行けなくなってしまったのでしょうか。また、なぜ学校へ戻らないのでしょうか。

子どもたちが不登校になった、きっかけ

その理由は・・・実は、千差万別です。

・友達からのイジメで行けなくなった子

・先生からのイジメで行けなくなった

・学校生活のストレスから病気になり、通えなくなった

・集団行動や「みんな一緒」の雰囲気が耐えきれず、行けなくなった

・学校の勉強方法(一斉指導)が合わず、勉強が苦痛になった

・学校生活で、何らかのトラウマができてしまい、行けなくなった  等々。

ひとつ、または複数の事情が重なって、子どもたちは心身共に追い詰められます。

そして、「学校か、学校へ行かないか」は、子どもたちにとっては究極の選択です。

学校と家が、子どもにとっての「全世界」であり、価値観であるからです。

つまり、よほどの事情をもって、自分の存在意義をかけて、「学校へ行かない」(不登校)という選択肢を、選ばざるを得なかったのです。

不登校になったあとの状況は?

学校で遭った何らかの原因により、

・「不登校」になってしまった(自分は他の子と違う)

・勉強ができなくなった

・友達と会えなくなった

・将来に見通しが立てない(大きな不安)

こうした複数の不安が一気に押し寄せてきます。

不安から体調を崩す子どももいます。

不登校生徒の親もまた、大きな不安を抱える

不登校になった子どもの親もまた、大きな不安を抱えます。

思いもよらなかった出来事に

・我が子はいったいどうなるのか

・不登校が長引くにつれて勉強が遅れる

・進学はできるのか?

・将来、就職・自立はできるのだろうか?

・周囲の目が気になってしまう

毎日のように、心の中に疑問や不安が立ちこめますが、それを解決するための手段や援助が足りていません。

それどころか「親の育て方が悪い」と非難されることもあります。

不安から、わが子に当たってしまうことも、時にはあるかもしれません。

日々「うちは、よその家と違う」という引け目を感じる人も多くいます。

都市部から離れるほど、それは大きなものとなるでしょう。

子どもが学校へ行けなくなると、親もまた、心理的に追い詰められてしまいます。

時には、不安によってストレスがたまり、親が病気になってしまうことも珍しくありません。

不登校は決して楽ではない

こうして、不登校の子どもと親は、どちらも、大きな不安を常に抱えています。

「学校へ行かない」、「不登校」について、社会ではまだまだ理解されていません。

家族の中で抱え込まざるをえず、苦しんでいることが多いのです。

「不登校になったから、学校へ行かなくて安心」ではなく、「不登校になって、毎日が不安になった」というのが実情です。

昔から、不登校になる子どもはいました。

しかし、ここ数年の間に、不登校の子どもの数は増え続けています。

そして、不登校の子どもが増えるたび、上記のような深い悩みを持つ、子どもと親が増えるということなのです。

もちろん、不登校を乗り越えて復学した子どもたち、あるいは大人も大勢います。

しかし、不登校になった誰もが学校で傷つき、家にこもってからも自責の念にとらわれ、出口のないトンネルの中を歩いているような日々を過ごしています。

不登校は、けっしてラクではありません。

みんなと違う場所にいるからこそ、悩み、考え、エネルギーを消費します。

 出口がみえない、不登校

不登校の子どもたちが元気を取り戻すには

では、そうした不登校の子どもたちや親の、問題を解決するには、どうしたらいいのでしょうか。

強制的に、学校へ戻る?

いいえ、それは違います。学校へ行きたくない理由があるから、不登校なのですから・・・。

子どもが玄関のドアから出られるには・・・

学校に変わる場所が必要

学校へ行くのが難しいならば、学校の代わりの場所、もしくは逃げ道(エスケープ・ルート)を、いくつか準備する必要があります。それは、社会の中でクッションとなる存在です。

**

多くの子どもは学校生活で人間不信になり、家族以外の他人と接するのが難しい状態です。

その場合、子どもが安心できる場所・・・まずは自宅でゆっくり休養させます。

体力が回復するまで眠るのもいいでしょう。好きなものを食べ、すきな遊びをして、自分が何を好きだったのか、思い出す作業も必要です。

しばらくして、少し元気になり、時間を持て余すくらいになってきました。けれど、1人で外出することは、まだ無理みたい。

その場合、どうしたらいい?

第3の居場所

多くの、不登校の子どもの親にとって「子どもが学校へ行けないので、毎日24時間、子どもが家にいる」という状態になります。

子どもが学校へ出かけていれば、その間「社会が子どもを見守ってくれている」という安心感があります。

しかし、常に子どもが家で過ごしている場合、全責任が親にのしかかってくることになり、親は社会から助けがなく、取り残されたような気持ちになります。また、その解決方法も分かりません。これが24時間毎日・何年も続くと、大変なストレスが親にのしかかってきます。

また、子どもの居場所が家しかない場合、「もし親がいなくなったらどうなるのか?」という不安があります。

そういった不安もまた、親をますます不安にさせ、負担を重くしています。

そこで、社会の側が、家でも学校でもない、第3の場所を提供することが必要となります。

行政が設置した適応指導教室もありますが、まだ「学校復帰」を前提にしたところが多いため、二の足を踏む子どもや親も多いようです。

都市部では、様々な種類のフリースクールが出来ています。

しかし、都市部から少し離れると、そういった動きが少ないのが現状です。結局、自宅以外に日常を過ごす場所がありません。

私の住む街では、中学生で約110人が不登校状態です。

適応指導教室に通う子どもは、ほんの数人だけです。

つまり、3クラス分ほどの子どもたちが、それぞれ自宅で息を潜めて過ごしています。

ですから、フリースクールやフリースペースなど、社会の中で「自分が居てもいい」「居心地がいい」と思えるクッションのような役割を持つ居場所が、もっと必要です。

もし、子どもたちが、自宅以外の場所で居場所を見つけて、ほんの数時間でも居ることができれば、親の負担もまた、軽くなることでしょう。

社会の意識が変わることが大切

それと同時に、いま学校で何が起きているか、学校で傷ついた子どもたちがどのように過ごしているか、多くの大人がもっと知る必要があります。

今は少子高齢化の時代。子どもを見かけるのが珍しい地域もあることでしょう。しかし、学校や、子どもを取り巻く環境は、たくさんの問題を抱えています。

「昔は、学校へ行くのは当たり前だった」と、頭ごなしに言うのは逆効果です。

いまの時代に苦しんでいる子どもや親が、どんな問題に遭い、どんな助けを必要としているか、一緒に考えることが大切です。

ゆとり教育が終わると同時に、学校の教科書は考えられないほど分厚くなりました。

そんな教科書を何冊も入れるため、ランドセルは大きいサイズになりました。

子どもたちは、小学生になると、急にたくさんの勉強や宿題に追われます。

遊ぶ時間も減ってきました。

学校の生活が忙しくて、調子を崩す子どもがいます。

中には友達に八つ当たり(イジメ)をする子どももいます。

先生は、学習内容や用事が増えたため、さらに忙しくなり、中には病気になる人もいます。

生徒に気を配る余裕が減ってきました。

他の教師に弱音を吐くことが難しい環境になってきた人の中には、生徒に当たる人もいます。

国の方から「来年から、これも」と、学習課題が増えました。

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大人も子どもも、必死に学校生活を維持しようとします。

でも、「もう、これ以上がんばれない」。

だから、不登校・・・「学校へ行きたくない」になるのです。

ぜひ、一緒に考えてください。

子育ては、親ひとりだけでするもんではなく、社会全体で担うものですから。

未来を作る子どもたちのために。

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